2011 Formula Challenge Japan Rd.5

予選 決勝 台数 天候 路面 サーキット
2011年06月11日 2011年06月11日 19台 ウェット 富士スピードウェイ

レースレポート

約1ヵ月の間を置き、FCJの第3ラウンドが行われた。

今回の舞台は初戦と同じ富士スピードウェイに舞い戻ってのレースとなるが、このラウンドの目玉は1度に3回のレースを行うというハードスケジュールにある。心身ともに疲れ切った中で最高のパフォーマンスが求められ、さらには当然ながら次のレースに向けて車両を温存しなければならない。

結果を先に述べてしまえば非常に悔しいレースとなったが、詳細をご報告したい。

6.10 フリー走行

これまでのイベントとは異なり、合同テストを行わずに金曜日のフリー走行を迎えた。開幕イベントで十分に走り込んでいるため、走行ラインやマシンのセッティングは確認済みだという事務局の判断だが、それは走行が始まるとすぐに間違いではないと証明された。コンディションの良し悪しがある中古タイヤとはいえ、自身のベストに近いタイムを出すドライバーが沢山見られたからだ。しかし、俺はこの時に全くグリップしないタイヤと格闘することとなった。

午後からは全車がニュータイヤを装着し、さながら模擬予選ともいえるアタック合戦が始まった。先の走行でガックリと肩を落としていた自分も含め、全員が明らかに好タイムを連発している。終盤になるとピットから“-0.3”というサインボードが出され、あと0.3秒縮めることが必要と言うプッシュのサインと理解した。ブレーキを冷や汗が出るほど我慢し、丁寧にターンインし、少し早いぐらいの気持ちでアクセルを開ける。チェッカーを受けながらホームストレートでメーターパネルを確認すると、ちょうど0.3秒タイムアップした自己ベストタイムが表示されていた。ところが、必死の走行にもかかわらずピットで知らされた順位は11位と言う不本意な結果ではあったが、わずか1秒以内に17台がひしめくというFCJ始まって以来のハイレベルな争いに、明日への期待が膨らんだ走行となった。

6.11 予選

今日は朝から空は大泣きだった。走行が危ぶまれるほどの雨量であったが、5分のウェイティングを経て予選が開始された。ウェットの走行では雨が少しでも弱まった瞬間にタイムが出るため、アクセルを緩めることは許されない。傾斜が付いていて排水性が悪いコーナーの内側には大きな水溜りができ、流れてきた雨が集中するポイントでは厄介な“川”が現れる。

予選時間が半分を過ぎたころ雨が弱まり、アタックチャンスがやってきた。多少のオーバーランもしながら全開走行を続けるが、思うようにタイムを上げることができない。コーナーへ進入する度にオーバースピードからリアが滑り出し、暴れまわるリアを抑えることが精いっぱいでアクセルを踏み抜けない。前日のドライコンディションでのドライビングが頭から抜けず、得意なはずのウェットでタイムが出せない・・・と、分かっていながらも修正できないことにいら立ち、ドライビングが感情的になる。そうしているうちに雨脚が強まり、タイムアップが望めない状況でチェッカーを受けた。

6.11 Rd.5決勝

スタートダッシュが決まり、出足で一気にライバルをオーバーテイク! そのままの勢いで1コーナーへと飛び込むが、イン側にはスペースが無いためアウト側からの大外刈りに狙いを定める。が、すでにブレーキングに入っているにも拘らず前を行くマシンがラインを変え、俺のラインを少しずつ少しずつ削り取っていく。フロントタイヤはグリップの限界にありそれ以上に止まることはできず、ラインをさらに外に逸らして逃げ道を探すが、1コーナーのクリップを覗きこんでいる#10には俺が見えていないのは明らかだった。ついに行き場を失った俺は滑りやすい縁石の上でブレーキを弱めるほかなく、痛恨の特大オーバーランを喫してしまった。舗装されているランオフエリアをあっという間に通り過ぎ、グラベルまであと少しと言うところで体勢を立て直して戦列に復帰するが、ほぼ最後尾まで順位を下げていた。

とても滑りやすいコンディションの中、じわりじわりと前車との間隔を詰めていく。スリックタイヤの時のように無理な突っ込みは確実にオーバーランにつながるため、焦りは禁物だ。ワンチャンスを確実に決めるため、ここだと決めた時までは抜かずにプレッシャーをかけ続ける。そうして1台、また1台とオーバーテイクを重ねるが、短いレース周回数のなかでは精一杯の、13位でチェッカーを受けた。

6.11 Rd.6決勝

雨が止み、あっという間に路面はドライコンディションへと変わっていった。FCJ事務局からスリックタイヤでのレースとなることがアナウンスされ、レインタイヤを装着してスタンバイしていた全車が慌しく新品スリックタイヤへの交換を行なった。このレースはRd.5の決勝中ベストタイムがスターティンググリッドとなるため、13位からのスタートだ。先のレースの反省からイン側での飛び込みを意識し、またしても抜群のスタートを決める!

ところが、一気に入賞圏内が見えるポジションまでオーバーテイクに成功したことが、集中しているはずの気持ちに一瞬の隙を作ってしまったのか・・・事件は1コーナー立ち上がりで起きた。まだ濡れている縁石をわずかに踏んでしまい、その瞬間にマシンはコントロール不能のスピンモードになっていた。進みたい方向に対して90度右を向き、レコードライン上を空しくも滑走していく俺のマシンに後続のマシンが接触。幸いスピードが遅かったため大クラッシュとはならなかったが、濡れた芝生に足を取られてリタイアとなった。スタートからたった一つのコーナーを通過しただけでのリタイアはレース人生で初めての屈辱だったが、すぐに1コーナーのカメラマン用スタンドに移動して明日のレースのための勉強の時間とした。

6.12 Rd.7決勝

今回のレースも前のレースの決勝中ベストタイムがスターティンググリッドとなるため、誰よりも早くリタイアしてしまった俺は最後尾からのスタートとなった。昨日の1コーナークラッシュに続き、レース人生で初めての最後尾スタートだ。しかし、今回は秘策がある。新品のスリックタイヤで1周もしていない俺は、スピン時のフラットスポットこそあれ新品に近い状態のタイヤでレースを始められるのだ。11番グリッドからのスタートだが、ライバルに隙があれば必ず刺す気持ちでレースに臨んだ。

相変わらずスタートは抜群に決まり、しっかりとイン側から進入した1コーナーを通過する頃には5台か6台をオーバーテイクしていた。が、次に迎える2コーナーまでの短いストレートで横を見ていなかった#9が唐突なラインチェンジを行い、2台は宙を舞う可能性があるほど危険な状況に! この当たり方だけは避けなければならないと判断し、咄嗟に両足でフルブレーキング! 後方を確認する間もなくブレーキングしなければならなかったが、幸いにも後続のマシンたちはスムーズに回避してくれたようで、無事に最後尾へ戻ることとなった。

「こっちは、新品タイヤ、ひとまず、落ち着いて、抜いていこう、1台ずつ」

呼吸が乱れながらも自分に言い聞かせ、新たなスタートを切った。レース周回は21周と長いため、慌てず1台ずつ抜いていけばそれなりのポジションまで挽回できるからだ。そうして2周に1台ぐらいのペースでオーバーテイクを行い、スタート直後の順位に近い4位まで上がることができた。順調な走行を続けていたかに思えたが、ここで大きな壁に阻まれることになる。先のレースで俺と同様に序盤でリタイアしていた#1が前に現れ、強烈なブロックを仕掛けてきたのだ。#1も新品に近いタイヤを使っているためブレーキングでの勝負に持ち込みにくいばかりか、イン側を頑なに守る走りに隙がない。アウト側から被せようにも絶妙にアンダーステアを装いラインを膨らませ、クロスラインを狙うもクリップ付近で執拗な減速でアクセルオンのタイミングが定まらない。ストレートではテールtoノーズ、コーナーではサイドbyサイドの攻防は1周、また1周と続き、観客がヒートアップする代わりに残り周回数は減っていく。そうしてついに残り周回数は尽き、最後までオーバーテイクは叶わぬままチェッカーフラッグをくぐった。

レースを終えて

金曜日の走行で激戦となることは分かっていた。しかし、これほど流れに乗れなかったレースは悔しくてならない。特に1周目のリタイアは、支えてくださるスポンサー様はもちろん、誰でも最低条件は完走と言っていたメカニックを本当に落胆させてしまった。しかし、当然だが落ち込んでいるだけでは道が開けるわけも無い。今回のことをしっかりと反省し、9月と10月の鈴鹿2連戦に生かしたいと思う。

引き続きご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。


レースリザルト

決勝結果

PosNoNameLapTotal TimeAve. km/hGapBest TimeLap
117平峰 一貴1223'22.386139.781 1'55.8012
24平川 亮1223'23.151139.705 0.765 1'56.4065
311石井 一也1223'37.080138.332 14.694 1'57.1822
43近藤 翼1223'37.811138.260 15.425 1'57.3456
58元嶋 佑弥1223'40.318138.016 17.932 1'57.3708
612高星 明誠1223'42.804137.775 20.418 1'57.1303
714山部 貴則1223'45.361137.528 22.975 1'57.8212
818清原 章太1223'46.313137.436 23.927 1'57.6814
910篠谷 大幹1223'47.181137.353 24.795 1'57.72911
102山田 真之亮1223'49.336137.146 26.950 1'57.4814
1119松﨑 俊祐1223'51.368136.951 28.982 1'57.87012
1216朱 戴維1223'53.007136.794 30.621 1'58.0194
1315仁木 圭之1223'54.065136.693 31.679 1'58.01411
141川端 伸太朗1223'57.306136.385 34.920 1'58.3904
156岩月 邦博1224'04.111135.742 41.725 1'58.9226
1613柴田 隆之介1224'04.917135.667 42.531 1'59.1348
177小河 諒1224'08.127135.366 45.741 1'58.5904
185周藤 康平1224'11.408135.060 49.022 1'58.58512
199勝田 貴元1224'20.119134.254 57.733 1'57.0304
***** 以上完走 (規定周回数 10Laps) *****

予選結果

PosNoNameBest TimeLapGapAve. km/h
117平峰 一貴1'56.76211140.686
24平川 亮1'56.956100.194 140.453
32山田 真之亮1'57.217100.455 140.140
411石井 一也1'57.268100.506 140.079
512高星 明誠1'57.539100.777 139.756
68元嶋 佑弥1'57.549100.787 139.744
73近藤 翼1'57.883101.121 139.348
819松﨑 俊祐1'57.95591.193 139.263
910篠谷 大幹1'57.96091.198 139.257
109勝田 貴元1'57.972101.210 139.243
1115仁木 圭之1'58.09491.332 139.099
1214山部 貴則1'58.303101.541 138.854
137小河 諒1'58.504101.742 138.618
1418清原 章太1'58.615101.853 138.488
1516朱 戴維1'58.79292.030 138.282
161川端 伸太朗1'59.375102.613 137.607
176岩月 邦博1'59.416102.654 137.559
1813柴田 隆之介1'59.432102.670 137.541
195周藤 康平1'59.67092.908 137.267
***** 以上予選通過 (2'08.676 - 110%) *****
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