2008 スーパーFJ鈴鹿シリーズRd.6

予選 決勝 台数 天候 路面 サーキット
2008年11月09日 2008年11月09日 16台 曇り ウェット~ドライ 鈴鹿サーキット

レースレポート

はじめに

まるでジェットコースターに乗っているかのようでした。今回のレースはポジション乱高下しました。低い発車地点から始まり、高い山の頂点にぐんぐん登り、一気に降下したかと思ったらまた急上昇。それを何度か繰り返し、また低い発車地点へと戻って行くように…。

金曜日

「夜のうち雨で、昼には晴れ間が出るでしょう。」

天気予報のとおり小雨が降る中を鈴鹿へ向かい、いつもより少し早く到着しました。1走行目の開始時間が近づくにつれて雨は上がったものの、路面は完全にウェット状態。明日、明後日の天気予報は晴れとなっていましたので、ここは無理せず仮眠を取って待機しました。そして目覚めた時には青空となり、コースはドライコンディションへと回復していました。それを確認して走行開始です。

1週間前にテストしていましたので、肩慣らし(眼慣らし)は必要ありません。最初から飛ばしていきます。

「…何か変だ。」

タイヤは温まったはずなのに、マシンのスライドが収まりません。

「こりゃぁかなりグリップが低いぞ。」

雨上がりということもあるのでしょうか、とにかくグリップ感が無くマシンは横にスライドするばかりでした。先週の練習でだいたい組みあがったイメージに、考えてきたイメージをプラスする感じで走りますが、タイムは全く伸びません。

2走行目では日も傾き始め、路面温度が下がったことでさらに滑りやすくなっていました。

「このまま走らせてもダメだ。
走らせ方を考えないと…」

5周でピットインし、タイヤの内圧を調整してもらう間に頭の中をを整理しました。

「グリップが低いってことは、ウェットで走ってるのと同じなんだから…」

再び走り出し今日の自己ベストタイムを出すことができました。自分以外全てのドライバーがタイムを落としている中で、タイムアップできたことは大きな成果でした。

土曜日

2008 スーパーFJ鈴鹿シリーズRd.6 01

早朝から雨が降り出し、1走行目は完全なレインコンディションでした。そこで以前から試してみたかった、「ドライセット+前後ウィングの迎角アップのみ」のセッティングにトライしました。走り出してみるとシャキッとした手ごたえでコーナーへアプローチして・・・・曲がらない!ステアリングの反応は良くても、そこからの切れ込みがまったくありませんでした。セッション中のベストを出したドライバーから2秒以上遅く、セッティングミスだけで遅れたとは思えない差でした。

2走行目、雨は弱くなっていましたが相変わらずレインコンディションでした。レインセットへと変更しますが、前後ウィングはさらに角度を増やして試してみることにしました。すると…、走行を開始してすぐに笑ってしまいました。スーパーFJの特徴なのか、セッティングによるタイムアップの幅が大きく、一気にタイムアップすることができました。

2008 スーパーFJ鈴鹿シリーズRd.6 02

昼過ぎになると、路面は急速に乾いてドライコンディションとなりました。しかし、路面は温度が低くライン以外は濡れていて、グリップはあまり期待できませんでした。そこで今度は前後ウィングの角度をそのままに、ドライセットに変更してコースインしました。

「いいねぇ!」

違いは1周目に感じました。西コースの特徴である130Rとスプーンコーナーの進入で、ライバルのマシンと比べて安定しているので落ち着いて攻めることができたのです。その結果、ライバルよりも1秒近く速いラップタイムを刻むことができました。


予選

2008 スーパーFJ鈴鹿シリーズRd.6 03

昨日と同じく朝は雨でした。予選時間が近づくにつれて次第に雨は上がっていきました。

「スリックか?レインか?スリックか!?」

悩ましいコンディションのまま、予選時間は目前に迫ってきました。マシンの周りに両方のタイヤを並べて時間いっぱいまで待機しています。

「ドライでお願いします。
昨日の最後のセッティングのままでOKです」

昨日の最後の走行で手応えを感じていましたので、自信がありました。先にピットロードに整列したマシンを見ると、スリックタイヤを選択したドライバーが多いようでした。

いよいよ予選時間となり、全車が一斉にコースイン!路面はわずかにウェットでした。しかし、タイヤが発熱していくのに充分なグリップを感じました。

「よし、予選最終ラップまでが勝負だな」

恐る恐る探るように走らせるスリック勢を横目に、レイン勢が好タイムを刻んできました。しかしそれも2ラップ目までのことで、3ラップ目からは自分の番です。毎周必ずスローペースのマシンに引っかかりながらも、サインボードに表示されるのは自分のラップタイムです。つまり、全体のベストラップを出しているということを意味します。常にタイムを更新しながら予選時間を消化していきます。

「もっと行けるはず。
クリアがほしい」

さらなるタイムアップを目指す為に、ゆっくり回って空いているポジションを探しました。そして残り2周、130Rを気持ちよく曲がってショートカットへ進入!

「ダメだ」

追い抜いていったマシンがスロー走行していて、デグナーカーブで引っかかってしまいました。

気を取り直し、スタンバイされたチェッカーの横を通り抜けて最後のアタックに入ります。もうチャンスはありません。慎重にスロットルを開けて 130Rを駆け抜け、ギリギリのブレーキングでショートカットをクリアー。グリップの最も低いデグナーカーブでオーバーランしそうになりながらも、何とか立ち上がります。

そのころピットでため息が漏れていることなど、知る由もありませんでした。着実にタイムアップを果たしていたライバルたちが、最後のアタックで自分のタイムを追い抜いていったのです。それも3人も。自分は4位まで落ちていました。ヘアピンでは進入スピードを抑え、その後に続くストレートをしっかりと意識して加速します。そして、通称まっちゃんコーナーを抜けた先にマシンが見えました。スロー走行するそのマシンと、スプーンコーナーのクリップ付近ではテールtoノーズの状態になり、仕方なくアクセルを戻します。彼が譲ってくれるのを待って再びアクセルを踏み込み、それまでのトップ(だと思っていた)タイムを1秒以上短縮してチェッカーを受けました。

「トップやで!
しかしダサいのぅ。
ヒヤヒヤさせおって…」

監督の言っていることが分かったのは、メカニックに状況を説明されてからでした。余裕を持ちすぎていたことに、反省する予選となりました。


決勝

2008 スーパーFJ鈴鹿シリーズRd.6 04

昼間だというのに気温も路面温度も低く、ホイールスピンしないように低めの回転でクラッチミートさせることを考えました。コースインするときに試してみて悪くない感触でしたので、決勝でも低めの回転でミートさせようと決めました。

なぜかゆっくり走る後続のマシンに合わせ、こちらもゆっくりとフォーメーションラップを走らせます。その間も急発進&急減速をしっかりと繰り返し、タイヤとブレーキに熱を入れることを忘れません。長いフォーメーションラップを終えて全車がグリッドに整列し、5秒前ボードが掲示されました。ギアをローに入れます。消し忘れたか?と思うほどレッドシグナルが長く点灯し、ようやくブラックアウト!

「カッコン!」

状況はすぐに分かりました。エンジンストールです。すぐにクラッチを切ってスターターボタンを押しますが、カブってしまったエンジンはなかなか火が入りません。右手を上げて後続の車両にアピールしつつ、とにかくボタンを押し続けました。ようやくエンジンが回って走り出したときには、車列はすでに走り去っていました。

「16位か。
抜くしかないか…。そうだ、抜くしかねーよなっ!」

2008 スーパーFJ鈴鹿シリーズRd.6 05

とにかくその思いで1コーナーに迫ると、黄旗の激しい振動と共にスピンしたマシンとそれを避けるマシンが目に入りました。自分も行き場が無く、グラベルを走って回避します。そしてショートカット出口ではもう1台スピンしたマシンがあり、これを避けて加速が鈍ったマシンをデグナーカーブまでに抜き去りました。130Rでは黄旗が出ていますので、どこか他で抜くしかないわけです。3周目に入ると各マシンの間隔も広がり、1対1のバトルとなりました。130R で振られていた黄旗が撤去されたのを確認し、並走しながらコーナーへ進入してのオーバーテイクを繰り返します。得意のスプーン進入でも、相手に隙があれば飛び込みました。

2008 スーパーFJ鈴鹿シリーズRd.6 06

レースも中盤となったころ、ポイントリーダーの#12がスピンしている所を過ぎ去りました。最もポイントを取られたくない相手のスピンに、さらに闘志が燃えました。しかし、ここからは#43の強烈なブロックに行く手を阻まれることになります。マシン半分並びかけてもラインを閉めてくるため、接触を避ける為にはこちらが引かなければなりません。前を見ず、後ろしか見ない走りに苛立ちましたが、落ち着いて相手の苦手なヘアピン立ち上がりに狙いを定めました。相手がブロックしてくるのは分かっているので、マシンを右に振ってフェイントを一発。直後にマシンを左に滑り込ませて、まっちゃんコーナーのアウト側から並びかける!ラインを交差させてくる#43に対して、自分はアウト側の白線上まで膨らんで立ち上がる!この時点では、わずかに#43の方が前。しかし次のスプーンコーナーではこちらがイン側。自分も#43もマシンをスライドさせながら、イン・イン・アウトの変則ラインでスプーンコーナーをクリアー!わずかな接触はあったものの、フェアに抜き去ることができました。そしてすぐに次のマシンに狙いを切り替え、開いてしまった差を詰めにかかりました。

ところが、それはすでにファイナルラップでした。何台抜いて何位でチェッカーを受けたのか、まったく分かりませんでした。そんなことよりも、レース中は忘れていた「エンジンストール」という記憶が一気によみがえり、悔しさがこみ上げてきました。

「早く片づけして帰ろう」

3位の表彰台に呼ばれても、そんなことを考えていました。そして追い討ちをかけるように、黄旗区間の追い越しで40秒加算のペナルティを伝えられました。撤去されたと思っていた黄旗が、実は1つ奥のポストで切り替わって振られていたのです。

「ちくしょう。
なんて一日だったんだ」

しかし、どん底まで落ち込んでいた気分を晴らしてくれる一言を、多くの方々にいただきました。

「いいレースだったな。
見てて楽しかったし、すごかった。
序盤からラップタイムがぜんぜん違ったから、どこまで追い上げるか楽しみだった。
気合が感じられたな。迫力あったよ」

自分のレースに対する気持ちを、見ている人に走りで伝えたい。いつもそう思って走っている自分にとって、これほどうれしい言葉はありませんでした。

残すは最終戦のみです。ここで優勝すれば、チャンピオンとなれます。2位でも3位でもいけませんが、まだ可能性は1つあります。多くの方々に支えていただき、レースができているということを忘れず、この1つの可能性に挑戦します。最終戦、宜しくお願いいたします!


レースリザルト

決勝結果

Pos No Driver Type Lap TotalTime Best
1 13 柴田 隆之介 07J 12 17'22.065 1'25.443
2 17 金子 昌広 FV202 12 17'24.297 1'25.436
3 43 大野 浩太郎 FV202 12 17'27.557 1'25.823
4 3 野瀬 智弘 FV202 12 17'32.680 1'25.843
5 8 平木 天樹 07J 12 17'34.048 1'24.803
6 28 米倉 正憲 07J 12 17'37.165 1'25.740
7 21 太田 浩 KK-S 12 17'37.416 1'25.030
8 12 塚田 光彦 07J 12 17'39.081 1'25.463
9 7 花岡 隆弘 07J 12 17'45.947 1'26.969
10 23 奥村 亜規士 07J 12 17'49.196 1'24.821
11 10 佐藤 晋一 07J 12 18'04.387 1'27.436
12 70 仁木 圭之 07J 12 18'06.894 1'24.907
13 22 赤堀 憲臣 KK-S 12 18'12.871 1'28.600
14 18 佐藤 亮介 07J 10 17'11.727 1'26.505
以上 規定周回数完走:
38 澤 紀彦 FV202 0
27 福田 詩久 07J 0
規定周回数 10

予選結果

Pos No Driver Type Time Lap
1 70 仁木 圭之 07J 1'26.664 10/10
2 43 大野 浩太郎 FV202 1'26.966 10/10
3 12 塚田 光彦 07J 1'27.311 10/10
4 8 平木 天樹 07J 1'27.534 10/10
5 13 柴田 隆之介 07J 1'27.807 10/10
6 23 奥村 亜規士 07J 1'27.908 10/10
7 21 太田 浩 KK-S 1'28.104 10/10
8 17 金子 昌広 FV202 1'28.306 9/10
9 38 澤 紀彦 FV202 1'28.326 8/10
10 7 花岡 隆弘 07J 1'29.595 10/10
11 28 米倉 正憲 07J 1'29.791 9/10
12 27 福田 詩久 07J 1'29.886 10/10
13 3 野瀬 智弘 FV202 1'30.388 9/10
14 18 佐藤 亮介 07J 1'30.754 7/9
15 10 佐藤 晋一 07J 1'31.285 9/9
16 22 赤堀 憲臣 KK-S 1'32.648 8/8
以上 予選通過車両:
予選通過基準タイム ( 130 % ) 1'54.000
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