2007 FJ1600鈴鹿シリーズRd.5

予選 決勝 台数 天候 路面 サーキット
2007年09月09日 2007年09月09日 30台 曇り ドライ 鈴鹿サーキット

レースレポート

台風の接近と共に、その時は近づいて来た…。

鈴鹿FJ1600選手権、スポット参戦!!

今回の遠征は、年末の日本一決定戦を見据えてのこと。舞台となるサーキットを走り込むためだ。鈴鹿サーキットは自動車レースの聖地として広く知られている。そのため、ここを舞台とする鈴鹿FJ1600選手権は昔から強豪が集い、レベルの高いレースが繰り広げられてきた。そんなところに関東から乗り込めば、

「こっちは格が違うよ、話にならないね」

などと言われるのが普通だ。今回はそこに茂木3連勝のプライドを持って挑んだ。

序章

台風が近づいていたため、夜10時過ぎには家を出た。途中で東京の亀戸駅に寄り、中島選手(ユウヤン)とともに先に到着しているはずの早坂選手(コーキ)をピックアップする予定だった。…が、風雨の影響で電車が止まり早坂選手が東京まで辿り着けないとの連絡が入る。慌てて進路を北東に取り、千葉のコーキ邸を目指す。雨のために道は空いていて難無く合流し、さらに急いで東京へ向かう。いかにも東京というような細い路地を抜けてユウヤン邸へとたどり着き、合流後すぐに鈴鹿へと向かう。

事前に得ている交通情報によると、東名高速は厚木インターから通行止めになっているらしく、そこから先は一般道の走行を強いられる。とりあえず厚木インターまで高速を走り、小田原厚木自動車道で少しでも鈴鹿方面に近づく。一般道に下りてからは住宅街、山道、川、団地内…。ナビを駆使してRAV4で走れるところは走った。途中、渋滞している国道246号線の“道路上”で1時間半の仮眠をしたが、それ以外は止まることなく走れた。高速道路が通行止めで一般道を走るのが面倒なのか、諦めなのか、道路上に停車して開通を待つトラックの“群れ”が大渋滞を引き起こしていたようだった。

清水インターからは高速道路が開通し、やっと予定通りの進路をとることができた。ギリギリ間に合うか、ひょっとしたら遅れてしまう時間だったが、レースまでに1本でも走りこむために遅れたくなかった。途中でドライバーを交代し、助手席には東京からずっとコ・ドライバー(ナビゲーター)を務めるユウヤンが、運転席には前半で仮眠を取っていたコーキが座る。

台風一過の強烈な太陽の下、すでに多くのチームが準備を終え、練習走行コースインのために車両が並べられていた。ユウヤン邸から走り続けて7時間が過ぎたころ、俺たちは鈴鹿の地に到着した。

金曜日

堅苦しい語りはやめて、ここからは普通に書きます (^^b

まず1本目。使うギアや通るラインも分からないまま、様子見で走ってみました。目標にしたことは、とにかく元気よく走ること。最初っからいろいろ考えても始まらないので、とにかく気合で!本コースからショートカットする入り口がわからず、通り過ぎてしまいました…。あわててUターンしてコースに戻る。ショートカットから最終コーナーへの流れがわからず終了。

2本目はとりあえず1、2コーナーの攻略を目標に走りました。っと、走行時間も残り少なくなったころでコースアウト~クラッシュしてしまいました。最終コーナーのクリッピングポイントでスロットルを全開にした後、路面のギャップを拾って車が跳ねて強アンダーを出してコースアウトしてしまった行く先に、やはりコースアウトしたF4がスロー走行から止まろうとしていた…。

「なんとか、避けられないかな」

まともにF4に当たれば重傷は確実。フルブレーキで車速を落としつつ、スポンジバリアに左フロントタイヤをかすめて左へ1回転。くるっと回ったその先で、まだいたF4の右リアタイヤと接触しマシンを損傷。ガードレールの外から見た感じでは、左フロントのアームが2本曲がってしまったぐらいで、カウルやホイールは問題がない様子。相手のF4はなんともないようでした。

「無駄な接触だった」

最後の走行までにメカニックが必死に直してくれた。少しでも多く走れるように。その間、3本目を走行中のFJを1コーナーやS字で観察し、走行のイメージを膨らませた。同時に、なぜコースアウトしたのか次の走行に生かせるように考えました。

最後の走行で、コース全体の特徴というか、走り方のリズムをつかむことができました。ショートカット入り口へのアプローチのイメージも固まってきたし、リカバリーのタイミングも早くなりました。次に向けての課題や、トライしたいこともいくつか浮かび、クラッシュした以外は満足のできる1日でした。

土曜日

鈴鹿を地元とするチームやドライバーにアドバイスをいただき、1本目から新しいトライをしてみました。ギアセレクトを変えてみたり、アプローチを少しずらしてみたり、縁石の使い方を考えてみたり…。そのたびに経験の豊富なチームやドライバーに助けてもらいました。しかし、車のセッティングがうまく進められない…。自分の“車の動きを感じるセンサー”の少なさといい加減さにショックを受けました。加藤さんや内間監督にあれこれ調整してもらうも、車の動きがどう変わったのかをうまく伝えられないんです。もっと集中して、もっと動きを感じて、もっと感覚を研ぎ澄まして、2本目はセッティングに意識を向けました。

正直なところ、自分ではどこがどれくらい変わったのかをまったく感じないときもありました。悔しいですが、今の自分はこんなもんなんだという事実を目の当たりにしました。感じようとしても、感じないんです。わからないんです。そこで気持ちをプラス方向に切り替えました。今できる精一杯のことは何か、どうやったらうまく伝えられるのか。決して逃げるのではなく、現実に向かいました。

「何が変わったのかわかりません。
今のセッティングの方が最終コーナーが踏めます。
今のセッティングでは1コーナーの侵入が怖いです」

自分で主張できたのはこれぐらいしか無かったと思います。あとは、とにかく全力で走りました。常にフルパワーで走れば、タイムが、そしてロガーデータが語ってくれます。本当に悔しいですが、レースを目の前にして今できることは、これぐらいしかありませんでした。

昨日とは打って変わって、不満の多く残る1日でした。明日に向けて不安がいっぱいでした。

日曜日~予選

2007 FJ1600鈴鹿シリーズRd.5 01

いつもの自分のスタイルどおり、1時間前からアップを始めて30分前にドリンクを飲み、集中モードを作る。そして10分前に車に乗り込み、ゆっくりとベルトを締めてさらに集中を高める。と、そのとき…。予選開始3分前のアナウンスとともに他の車両が一斉にピットロード出口に集結!!2列に並ぶはずなのに、4列ぐらいでグチャグチャに“並んでいる?”状態です。確かにコースインの場所取りは大切ですが、クラッシュが起きるんじゃないかというほどわれ先に並ぶ必要があるのかどうか、ちょっと驚きました。今から並んでも既に遅いので、落ち着いて予選開始直前にヘルメットをかぶりました。

そして、いよいよ予選が始まり、溜まっていた車両が流れたのを確認してからピットを出ました。すると、ちょうど目の前に、鈴鹿シリーズのポイントリーダーである北野選手の姿がありました。これは絶好のチャンスです。鈴鹿に慣れたドライバーに引っ張ってもらえるし、スリップストリームをうまく使える可能性があります。しかし、徹底マークで 3、4周するもなかなかタイムが上がらず、どちらかといえば前が詰まっている感じだったので、思い切って間隔とをとりました。そして6周目、ここしかないぞというこの周でベストタイムを出しました。2コーナーの進入でわずかにリアを流してしまったのと、S字2個目からにかけて他の車両に詰まってしまったのが残念でしたが、それでも56秒を切る事ができました。ただ、自分の中での想定タイムは55秒5だったためにかなり不安を残しつつ、もう1周アタックしようと狙っていました。

2007 FJ1600鈴鹿シリーズRd.5 02

ところがホームストレートを駆け抜ける瞬間、ピットから「IN」の表示が出ていました。不満が残るものの指示に従ってその周回でピットインすると、待機の指示が出ました。予選前の監督との会話で、

「タイムが出ても出なくても7周目で終わりにする」

という作戦だったので、55秒998というタイムでの結果は期待していませんでした。加藤さんも内間さんも順位のことには触れず、

「最後にもう1周アタックする準備をしろ」

という指示をくれただけでした。

「おし、降りていいぞ。
とりあえず、おめでとう」

その言葉とともに予選終了とポールポジション獲得を知りました。マシンから降りてモニターを確認すると、まだ終了時間こそ残っているもののタイムアップしてきそうな雰囲気はありませんでした。予選を7周で終え、タイヤの余力を残したままポールポジションからスタートできることは、大きなハンディになります。実際、そうなりました。


日曜日~決勝

2007 FJ1600鈴鹿シリーズRd.5 03

ゆっくりとコースインしてスターティンググリッドにつけます。フォーメーションラップでは2番手の選手がなかなか付いて来なかったため、ストップ&ゴーでゆっくりと進みながらタイヤを暖めました。しかし、30台もいるとなかなか整列が終わらず、5秒前ボードが出るまでの緊張がもどかしく感じました。

長めのレッドシグナルが消え、初めての下り坂からのスタート!!タイミングは良かったものの、ホイールスピンさせてしまい、2番手と3番手の選手が間合いを詰めてきました。すかさず1コーナーまでにイン側に寄せて、後続のラインを塞ぎました。そして、2コーナーの侵入でトップを譲ずらなかった時点で、1つ目の課題をクリアしました。

心配していたスタートが無事に終わり、次は先行逃げ切り作戦の実行です。他のマシンよりもタイヤが残っていることと、タイムの立ち上げが得意だということを考えると、3周目までに逃げ切れるだけのマージンを稼ぐことが勝利への近道と考えていました。そしてこれまた予定通り、スリップストリームが効かない距離まで拡げることができました。前半を全開で攻めることで後続との差を5秒以上に拡げ、目前にはついに周回遅れも見えてきました。この周回遅れを抜くのに手間取ってしまい、2番手との差が2秒まで詰まりましたが、

「どうせ後ろの人たちもこの“壁”に当たるから大丈夫」

と心を落ち着かせました。

そして、いよいよその“時”が訪れました。右手の人差し指を天に突き上げ、ピットウォールすれすれを全開で駆け抜けました。言葉を交わしたことも無い、他のチームのメカニックや関係者の方々が拍手で迎えてくれました。最も1コーナーに近い自分のピットまで、もちろんそれは続きました。興奮が最高潮に達した瞬間でした。喉が枯れるぐらい、ヘルメットの中で叫んでいました。

終わりに

今回のレースでは、いきなりクラッシュしてしまうなど良くない事も沢山ありました。しかし、それを乗り越えて2位に大差をつけてのポール・トゥー・ウィンで終えることができました。

非常に戦闘力の高いマシンを用意して下さったエクシズレーシングの渡辺さん。クラッシュしたマシンも完璧に治して下さったザップスピードのメカニック、菅谷さんと金井さん。自分の未熟な意見をうまく拾い、ロガーデータから絶妙なセッティングをして下さった内間さん。いつも厳しい言葉で語りかけ、常に上を目指す気持ちを持たせて下さった加藤さん。

周りの方々の力を最大限に受けた3日間でした。本当に、最高のレース環境でした。初めての鈴鹿のレースで優勝したこと、墓まで忘れることはありません。

今年も残すところ4レースあまりですが、よろしくお願い致します!自分も最大限の努力と最高の結果で答えられるように頑張っていきます!いつも応援してくださる皆様、引き続きよろしくお願いいたします!常に「全開で頑張りました!」と言えるように、頑張っていきます!

それでは、次のレースをお楽しみに!

謝辞

今回のレースレポートの写真はKarzさんのご厚意により提供して頂きました。貴重な写真を提供して下さり、感謝いたします。


レースリザルト

決勝結果

Pos No Name Lap TotalTime BestTime Type
1 30 仁木 圭之 20 19'02.741 56.410 SK96
2 6 板倉 達也 20 19'07.503 56.687 SK07
3 69 松尾 二朗 20 19'07.853 56.629 FV2K
4 63 上住 道人 20 19'08.443 56.621 FV2K
5 55 小嶋 健太郎 20 19'08.757 56.385 04J
6 1 吉田 雄作 20 19'15.805 56.982 オスカー
7 21 太田 雅士 20 19'18.269 57.037 SK02
8 8 服部 吉男 20 19'19.232 57.221 SK05
9 13 柴田 隆之介 20 19'25.710 57.216 MF-105
10 37 恒川 肇 20 19'33.672 57.299 FV2K
11 47 高橋 幸宏 20 19'40.872 57.403 SK
12 60 浜西 光明 20 19'47.746 58.211 SK02
13 43 藤江 基伸 20 19'47.867 57.887 FV95
14 10 中島 佑弥 20 19'53.774 57.433 FV-2K
15 58 梅津 旭生 20 19'54.024 57.529 04J
16 48 下辻 克和 20 19'54.510 57.003 FV2K
17 33 石田 弘明 20 19'55.539 57.710 ST04J
18 65 伊藤 俊哉 19 19'07.493 58.625 SK02
19 77 藤村 政樹 19 19'08.144 58.517 FV95
20 86 樋口 慎吾 19 19'12.276 59.148 FV95
21 5 板倉 慎哉 18 18'13.411 57.103 SK07
以上 規定周回数完走:
17 道野 高志 17 16'35.622 57.144 SK02
2 岡田 光央 17 16'36.482 57.308 SK96
7 川合 信安 17 16'48.100 57.235 SK02
19 萩原 教公 16 16'18.829 58.109 04J
9 小島 靖弘 14 13'40.301 56.702 SK96
71 北野 和行 4 3'56.677 57.119 FV2K
14 大賀 裕介 1 5'36.648 VF2K
91 ポチ 0 SK96
72 * 寺西 玲央 失格
規定周回数 18
*PENALTY
No.72 失格 (国際モータースポーツ競技規則付則H項違反(黄旗区間でのスピンおよび接触))

予選結果

Pos No Name Time Lap Type
1 30 仁木 圭之 55.998 6/7 SK96
2 6 板倉 達也 56.239 7/16 SK07
3 63 上住 道人 56.290 13/16 FV2K
4 55 小嶋 健太郎 56.326 8/16 04J
5 69 松尾 二朗 56.362 13/16 FV2K
6 9 小島 靖弘 56.369 6/16 SK96
7 91 ポチ 56.391 9/16 SK96
8 10 中島 佑弥 56.495 8/15 FV-2K
9 48 下辻 克和 56.583 13/16 FV2K
10 71 北野 和行 56.584 8/15 FV2K
11 14 大賀 裕介 56.623 7/16 VF2K
12 1 吉田 雄作 56.643 6/15 オスカー
13 37 恒川 肇 56.681 13/16 FV2K
14 21 太田 雅士 56.836 5/16 SK02
15 17 道野 高志 56.858 5/16 SK02
16 72 寺西 玲央 56.970 9/15 04J
17 8 服部 吉男 57.033 4/16 SK05
18 13 柴田 隆之介 57.035 5/15 MF-105
19 7 川合 信安 57.073 5/16 SK02
20 2 岡田 光央 57.084 12/15 SK96
21 58 梅津 旭生 57.240 8/10 04J
22 47 高橋 幸宏 57.268 12/15 SK
23 60 浜西 光明 57.328 13/14 SK02
24 43 藤江 基伸 57.485 5/15 FV95
25 19 萩原 教公 57.898 10/13 04J
26 77 藤村 政樹 58.297 14/15 FV95
27 33 石田 弘明 58.415 6/15 ST04J
28 65 伊藤 俊哉 58.489 8/15 SK02
29 86 樋口 慎吾 58.636 13/15 FV95
30 5 * 板倉 慎哉 SK07
以上 予選通過車両:
予選通過基準タイム (130%) 1'14.000
PENALTY
* No.5 国際モータースポーツ競技規則付則H項違反(黄旗区間での危険行為)により、予選タイムを抹消し最後尾グリッドとした。
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