2006 FJ1600富士シリーズRd.3

予選 決勝 台数 天候 路面 サーキット
2006年07月16日 2006年07月16日 26台 曇り ドライ 富士スピードウェイ

レースレポート

土曜日~練習日

今日はとても熱く、タイムの出にくい1日だった。路面温度が高くなると、タイヤが発熱し過ぎてしまいグリップ力が下がる。また、気温が高くなるとエンジンパワーが出なくなる。そして、人間もスタミナが急激に失われ、ミスを犯しやすくなる。

そんな中、3本の走行枠を全て走った。が、いずれの走行もチームメイトの14号車井川さんから1秒落ちのタイム。チーム内では2番手のタイムではあったが、とても納得のいくものではなかった。自己ベストタイムの 1’55.090 に対して 1’55.460 と遅れていたために、成長したという実感も無かった。他チームのドライバーの様子を伺うと、自分よりもわずかに早いタイムを出している人がちらほら。今日の自分のポジションは良くて5~6番手という感じ。

良かったことといえば、1~2本目に感じていたライン取りのミスや乗れていない時のリズム感を3本目には改善できたこと。どこを改善したらいいのかといった漠然としたイメージでなく、明日はあそこのコーナーをこういう風に走ろうといった感じでしっかりイメージ出来たこと。おかげで不安で眠れないといったことは無く、逆にホテルについてベッドに座ったら寝ていました。夜中に気が付いたら、テレビもつけっぱなしで寝ていたほど。

日曜日~予選

朝起きてまずチェックしたのは天気。小雨…。今朝の天気予報では曇りところにより雨という微妙な予報。メディカルチェックや装備品チェックをしてる間、雨は降り続ける…。

N1600クラスの予選が終わり、いよいよ俺らの出番となる頃、水溜りこそ無いものの車が走ると水しぶきが立ち上がるコンディションに。前のクラスのタイムの変わり具合から、うちのチームはレインタイヤでコースインすることを選択する。他のチームをチェックすると、俺たち以外はスリックタイヤを選択している様子で、俺たちはそこまで乾かないだろうという賭けに出たことになる。

コースイン5分前のアナウンスとともに車に乗り込み、予選への出走準備を済ませて待機する…。が、「コース上にまかれたオイル処理のため、 FJ1600クラスの予選開始時間を延期します」とのアナウンスが。このアナウンスから待つこと十数分、処理を終えたとの放送とともに予選開始が告げられる。

各車一斉にコースイン!俺が先頭だ。初めての先頭となり、ピットレーンの速度制限のことが頭をよぎる。今までは前の人に付いて行けばよかったのだが、スピードメーターのついていないFJで制限速度内で走るのがこんなに緊張するとは思わなかった。これぐらいだろうという速度で走ったのだが、後のマシンは明らかに俺より遅い。

予想通りの路面コンディションの中、攻める。後ろから続々とマシンが続いてくることの緊張からか、アタック1周目の1コーナーでオーバーラン。どれくらいブレーキが使えるのかを確かめるためだが、コースアウトしてしまうのではやり過ぎだったと反省している。が、コースアウトしても問題ないのが富士のいいところ。でなければ、1周目からあそこまで突っ込めはしない。

後ろから来ていたチームメイトの2人に道を譲り、すぐさま追いかける。これはもちろんスリップストリームを有効に使うためでもあるし、相手がどれくらいのブレーキで突っ込むかをチェックできる機会でもある…。と思ったのだが、思ったよりもタイムが伸びていないようだったので、結果的には抜きつ抜かれつの状態になってしまった。

そして5周目、スリップストリームを使うことなくこの時点のトップタイムである 2’04.621 を出すことが出来た。すぐ後ろにチームメイトの後藤さんとシャアさんがいるのは分かっていたので、6周目のタイム更新は捨てることにして1コーナーからコカコーラコーナーまでに道を譲った。

そして7周目、今までで一番気持ちよく最終セクターを走りぬけ、ホームストレートで前を走る車の背後につける。1コーナーまでにシャアさんを抜き去り、ロスの無い形で1コーナーを回って立ち上がる…。が、何かエンジンの吹け上がりが悪い。ダンロップシケイン手前のストレートでも高回転でのパワー感が感じられず、さっき抜いたはずのシャアさんがみるみる背後に迫ってきた。そして最終コーナーを立ち上がって5速にシフトアップしたあたりから、完全に失速した。あきらめきれずにもう1周回ってみたのだが、結果は同じ。

ピットのモニターで見ていると、ラスト2周の間にどんどん抜かれていく。路面はほぼドライになっている中で、スリックタイヤ勢がここぞとばかりにアタックしている様子が映し出されていた。予選結果13位はこれまでで最低の結果だった。

日曜日~決勝

この頃には完全に晴れていた。熱くも寒くも無く、時間が時間だけに太陽も遠慮がちな光を放つだけだった。3回目ということでだいぶ慣れてきたが、やはりこの緊張感はたまらない。コースインし、フォーメーションラップを終えて、来たる時に備える。

後方でグリーンフラッグが降られたのを確認して、意識をシグナルと両の足先へと集中する。レッドシグナルが1個ずつ点り、ふっと消えた。クラッチミートのタイミングは良かったのだが、エンジンの回転が低すぎたために初期のダッシュ力にかける。後から後藤さんが並ぶ…。さすがにうまいと思った。

順位を3つ下げて1コーナーを回るが、コカコーラコーナーでイン側を押さえて2台をパッシングする。集団が100Rへと入っていったその時、上位の 1台がハーフスピンするのが見えたが、イン側に巻き込むスピンだったのでアウト気味の進路に移す。が、そこは雨上がりでまったくグリップしない氷のような路面だった。俺もハーフスピン状態に陥りながらコースアウトしたが、何とか立て直しながらヘアピンへと戻っていく。

ヘアピンを立ち上がってすぐ、そこに居るはずのない先頭集団と共に、振られたレッドフラッグが目に留まった。「スタートから1周目のコントロールラインを通過するまでに赤旗が振られた場合、スタート進行からやり直す」「ドライバーはひとまずコース上の赤旗ラインに1列縦隊に停車し、オフィシャルの指示を待つこと」こんな硬い表現が浮かぶより先に

「スタートのミスが取り消しになる、助かった」

と思ったのは当然のこと。

数分間コース上で止まっていると、「メカニックは各マシンを手押しでグリッドまで付ける事」とのアナウンスが聞こえてきた。グリッドまで押してもらい、フォーメーションラップからやり直し、今日2度目のスタートを待つばかり。

1回目の失敗点を頭に入れて、スタート!消灯への反応が遅れた。が、しかしダッシュ力は1回目より断然良い感じだった。ところがやはりというか、後藤さんには並ばれてしまった。混乱の中で1周目を終えた時、順位は1つ落ちたかどうかというところで、チームの先輩2台と他チームの岸選手、吉田選手を追いかける形となった。

3周目まではついていけたのだが、そこから少しずつ岸選手、吉田選手と共に離され、3人で争うなかに後続の車両が混ざるという展開に。やはり高回転でのエンジンパワーが足りない感じで、ストレートが苦しい。岸、吉田の両選手とは6周目ぐらいまで争ったと思うが、そこから少しずつ引き離していき、俺は先にいってしまった第2集団を目指した。まともなオーバーテイクはこの2台を交わしたときだけだったと思う。少しずつではあったが、着実にその差を詰めていた8周目に今日のベストラップ 2’55.836 を刻む。

そしてラッキーなファイナルラップ。すぐ目の前にいるけどこの周では抜けないという距離でファイナルラップのダンロップシケインを迎えた。コース上の危険を示すイエローフラッグが振られ、現場が近づくにつれて2台が接触しているのが見えた。その接触のあおりを受け、俺の前の2台がわずかにペースを乱す。

1、2、3、…。俺を含め4台がマシン1台分の間隔も置かずに連なって、第3セクターの坂を駆け上がる。いよいよ大切な最終パナソニックコーナー。マシン5~6台分のスペースの中に4台がひしめき合い、それぞれがコース幅を最大限使って立ち上がりの加速に賭ける。よしっ!自分の中で最高に決まった最終コーナーを立ち上がり、直前の車両のスリップに入る。スリップストリームも使い、シフトアップのロスも短く済ませて4速へ、そして5速へ入れる。

スリップから抜け出し、1番ピットウォール側のラインをアクセル全開で抜ける…。が、やはり伸びない。すぐ左にいるマシンの鼻先が、少しずつ少しずつ俺のマシンのそれを越えて行く。左をちらりと伺ったとき、多分ゴールラインの直前だったと思うが、彼のヘルメットのほうが前にいた。ゴールライン上で4 台並んでいたわけで、誰がどのポジションだったか分かるはずも無く、無言の会話のもとにそれぞれのポジションを定め、コースを1周して戻る。

車両保管所に車を置き、暫定の決勝結果に目を通す。8位だった。最後に競り合った4台は上の順位から藤原選手、俺、大岩選手と続き、井川さんは失格になっていた。0.05秒ぐらいの中に4台いたのだと思うが、藤原選手から0.023秒遅れて俺、さらに俺から0.008秒遅れて大岩選手。その中にいたであろう井川さんは、相手に接触したために「危険な追い越し行為」と「チェッカー後に追い越し」により失格とのことだった。本人に聞いたところ、危険な追い越し行為のみであれば失格にはならなかったが、チェッカー後に前の車両を追い越してしまったのが致命的だったと説明を受けたそうだ。4台が並ぶフォー・ワイドでチェッカーを受けているのに、誰が前で誰が後かなんてわかっただろうか…。しかも、あの一瞬の中でだ。あのとき時速180kmだとしても、 0.05秒の差では2.5メートルほどしかない。その中に4台いたんだが…。

今回のレースも、応援に来てくれた人たちがいた。わざわざ静岡県まで来てくれていたのに、良い結果を出すことができなくて悔しかった。悔しさを積み重ね、少しずつでも前に進めればと思う。目標は今期中の優勝、そして日本一決定戦で上位でのバトル!常に自分の中で闘志を燃やしていきたいと思います!ご覧の皆様、これからも仁木圭之をよろしくお願いします!


レースリザルト

決勝結果

Pos No Name Type Lap Total Time Best Time Lap
1 83 早野 光宣 SK96 10 19'19.839 1'54.540 7
2 66 藤田 祐貴 SK02 10 19'19.909 1'54.471 5
3 41 大塚 隆一郎 SK96 10 19'27.402 1'55.477 5
4 72 河津 光晴 SK96 10 19'27.577 1'54.505 6
5 69 伊藤 聡 SK02 10 19'33.054 1'55.386 9
6 26 小嶋 翔吾 マナティ 10 19'35.183 1'55.731 4
7 94 藤原 大樹 SK94 10 19'36.960 1'55.165 8
8 15 仁木 圭之 SK96 10 19'36.983 1'55.836 8
9 73 大岩 政裕 SK96 10 19'36.991 1'55.028 6
10 2 宮本 健一 SK96 10 19'38.316 1'56.082 2
11 78 吉田 宣弘 SK96 10 19'40.565 1'55.078 5
12 23 柴山 俊哉 MF105 10 19'55.048 1'57.600 4
13 13 大畑 修視 FV95 10 19'57.696 1'56.453 6
14 8 中嶋 香子 FV95 10 19'58.484 1'57.136 10
15 11 岸 良一 SK02 10 19'59.903 1'55.386 9
16 21 高橋 英之 SK96 10 20'00.023 1'57.194 10
17 56 初又 美由紀 SK96 10 20'01.438 1'56.430 5
18 12 桑原 耕平 マキシム309 10 20'03.320 1'56.554 9
19 5 前田 和男 SK96 10 20'48.475 2'00.163 4
20 6 後藤 優太郎 SK96 9 17'32.241 1'54.651 4
***** 以上完走 (規定周回数 9Laps) *****
3 *1 瀬川 健児 SK96 7(8-1) 19'58.494 2'00.795 5
61 寺島 純 FV98 7 15'23.428 1'56.796 4
16 シャア・タケガハラ マキシム309
7 草野 雅人 WEST04J 出走せず
9 *2 渡部 武典 SK96 失格
14 *3 井川 高博 SK96 失格
*1 CarNo.3は、2006年富士チャンピオンレース特別規則書第2章第14条7.(ピットレーン速度)違反により、競技結果より1周減算のペナルティを課した。
*2 CarNo.9は、国際モータースポーツ競技規則付則H項第2章4.1.2a)(赤旗中の追い越し)違反により、ペナルティストップ20秒を課されたが、2006年富士スピードウェイ一般競技規則第8章第30条4.(2)(ペナルティストップ無視)により、失格とした。
*3 CarNo.14は、2006年富士スピードウェイ一般競技規則第5章第15条4.(1)(危険行為)および2006年富士スピードウェイ一般競技規則第9章第36条2.(1)(チェッカー後の追い越し)違反により、失格とした。
※ 1回の赤旗中断によりレースは10周回で行われた。

予選結果

Pos No Name Type Best Time Lap
1 72 河津 光晴 SK96 2'00.547 9
2 11 岸 良一 SK02 2'00.817 10
3 41 大塚 隆一郎 SK96 2'01.126 9
4 26 小嶋 翔吾 マナティ 2'01.183 9
5 66 藤田 祐貴 SK02 2'01.237 9
6 83 早野 光宣 SK96 2'01.360 9
7 78 吉田 宣弘 SK96 2'01.878 9
8 69 伊藤 聡 SK02 2'01.894 9
9 73 大岩 政裕 SK96 2'02.353 9
10 14 井川 高博 SK96 2'02.373 10
11 9 渡部 武典 SK96 2'03.268 9
12 61 寺島 純 FV98 2'04.347 9
13 15 仁木 圭之 SK96 2'04.621 9
14 6 後藤 優太郎 SK96 2'04.680 10
15 16 シャア・タケガハラ マキシム309 2'04.958 10
16 56 初又 美由紀 SK96 2'05.384 9
17 13 大畑 修視 FV95 2'05.477 9
18 5 前田 和男 SK96 2'06.034 9
19 21 高橋 英之 SK96 2'06.094 9
20 2 宮本 健一 SK96 2'06.429 9
21 8 中嶋 香子 FV95 2'07.089 9
22 23 柴山 俊哉 MF105 2'07.379 5
23 3 瀬川 健児 SK96 2'10.449 8
24 12 桑原 耕平 マキシム309 2'11.264 4
25 7 *1 草野 雅人 WEST04J 2'10.621 6
26 94 *2 藤原 大樹 SK94 最後尾スタート
***** 以上予選通過 (2'37.079 - 130%) *****
*1 CarNo.7は、2006年富士スピードウェイ一般競技規則第9章第41条3.違反(ピット出口のホワイトラインカット)により、6グリッド降格のペナルティを課す。
*2 CarNo.94は、国際モータースポーツ競技規則付則H項第2章4.1.2b)(黄旗区間中の安全義務)違反により、全予選タイム削除のペナルティを課す。ただし最後尾グリッドを条件に決勝レース出場を認める。
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